The New World
Statement
写真やメディアについて思いを巡らせていたとき、或る思いがふと脳裏をよぎった。そも時代の推移や印刷技術の発展にともない、版画やイラストといったメディアにとって替わった写真だが、翻ってみるならば、こと写真表現という場に於いて、写真に替わって版画やイラストといった視覚イメージを引用すること、つまり、それぞれを等価なオブジェとして換骨奪胎することも可能ではないだろうか?
ここ数年、写真作品を制作するにあたって、多重露光という所謂「写真的」ともいえる技術を積極的に援用してきたわけだが、そこに切り取った視覚イメージを前後左右といわず、自在に散りばめてみたならば、互いに融合・融解しあい、結果、いかなる影響をもたらすかという問いは、なかなかに蠱惑的だ。写真の根幹でありかつ呪縛とでもいうべきレイヤー構造・構成を揺さぶり、異なる次元の世界観をもたらす可能性——つまりは新世界。扉が開くのか光が差すのか、生憎あずかり知らぬところだが、その未知なるものの一端をしかとかすめ取ってみたいと思う。
The New World (2026 〜 )
